隣の北村さん。
『そうそう、島ちゃん知ってる?』

加藤が目の前に座る俺に向かって話をふってきた。

『何をだよ?』

『あしたさぁ、新しい上司が来るんだって~』

『ほぉ・・・』

俺はさして興味もなく、昼飯を食べながら片手間に加藤の話を聞いていた。

『なんだよぉ~その興味なさげ!』

加藤にはお見通しだったらしい・・・。

『でもな、コレ聞いたら島ちゃんもぜーったい気になるぜ!』

自信ありげな加藤のかおがちょっとむかついた。

『新しい上司、うわさじゃ女の人らしいんだ~』

どうだ!これでもか!? って顔を加藤はしている。

『ほ・・・ほぉ・・』

俺はもぅなんともいえない。

『で、うわさじゃチョー美人って話だぜ!!』

『あぁ、なるほど。それでお前浮かれてるのか・・・』

『ちょ、島ちゃん!男ならもっと喜べ!』

『ん~・・・まぁ、期待通りだと良いな・・』

なんとなく今までの人生『チャンス』なんて無かった俺は

あきらめモードなのかもしれない。

いまいちこの話には興味が持てなかった。


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