向日葵になりたい。(修正済)
あっという間の2日間だった。



今日はクリスマスイブ。




「お疲れ〜!2日間ほんとありがとう!すごく助かったよ!これ少しだけどバイト代。あとこれも」

斎藤くんはそう言って僚とあたしそれぞれにケーキをくれた。


思った以上にケーキの売れ行きが良く、夜の7時半には僚とあたしは駅まで歩いていた。

と、突然、僚が黙ってさっき貰ったケーキを差し出した。


「何で?あたしも貰ったから」

「今、俺、何にも持ってないから。貰い物で悪いけど。今日は海の特別な日だもんな。ってことで誕生日おめでとう!」

そう言うと僚はポケットからクラッカーを取り出し『パンッッ!』と、乾いた音を鳴らした。

周りにいた人は冷たい目であたしたちを見てたがあたしは恥ずかしさよりも嬉しさのほうが溢れてきた。


「最近お前ボーっとしてること多い気がしてたからさ。その理由は無理に聞き出すことはしないけど、いざという時は俺と沙耶がいること忘れるなよ。沙耶も心配してたからさ」



嬉しかった。泣きたくなるほど嬉しかった。
あたしはただ「ありがとう」としか言えなかった。








でも結局、先生とのことはどうしても言えなかった。









< 30 / 185 >

この作品をシェア

pagetop