向日葵になりたい。(修正済)
広い海を見て、澄んだ青空を見て、あたしは少し開放的になった。

勇気を出して先生に聞いた。



「先生・・・後悔してない?」

「んー・・・後悔するようなことあったかな?」

「またそうやってすぐ誤魔化すんだから!」

「誤魔化してなんかないよ。
後悔するようなことがないって言ったんだよ」

「・・・だって・・・・あたしとここに来なければ先生は公務員で、ちゃんと家庭もあって・・・・」

「海」

先生はあたしを窘めるように言う。

「確かにここに来るのを全く悩まなかったといえば嘘になる。
でもな、海と離ればなれで生活するほうが俺は後悔するって思ったんだ。
一生に一度の自分の人生だから。
俺は今までこんなに人を愛おしいと思ったことはないよ。
俺がこうやって海と一緒にいて傷付いてる人もいると思う。
・・・でも・・・・周りを傷付けても海のことだけは幸せにしたいんだ。
ただのエゴだって分かってても・・・・。
海は・・・・後悔してる?」

「あたしは・・・・幸せだよ。
ほんとに・・・ほんとに・・・・幸せ・・・・」

最後のほうは声が詰まって言葉にならなかった。
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