向日葵になりたい。(修正済)
「なん・・・で・・・・」

バシッ。

頬に痛みが走る。

あたしは頬を左手でおさえながら父親を睨みつけた。


「何でここにいるのよ!?」

「お前と一緒に逃げた本人から連絡が来たんだよ」

父はいつもあたしに接するときのように、見下して鼻で笑う。
あたしはこの顔が大嫌いだった。

「──嘘だ。先生は?先生はどこよ?」

「自分の家に帰ったんだよ。奥さんとな。
こんな生活にウンザリしてたんだろう。
自分でちゃーんと荷物もまとめてたしな。
ほらっ!帰るぞ!」



あたしは今朝、先生が仕事から戻って来た姿を思い出してた。

先生があたしを置いていくなんて・・・・ありえない。

あたしがバイトから帰って来るまでの間に何があった?



「・・・・先生に何をしたの?
あたしたちはお父さんたちに迷惑なんてかけてない!
帰ってよ!!」


バシッ!

もう一度、頬を殴られる。


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