向日葵になりたい。(修正済)
部屋をノックする音がきこえたが、あたしは返事をする気力すらなかった。

カチャっとノブを回す音がしても振り返ることもしなかった。


「おう!海?久しぶり」

「・・・・・僚・・・・何で・・・」

「今日はおじさんも姉ちゃんもいないっておばさんに教えてもらってさ」

「そっか・・・・沙耶は?」

「あぁ・・・・うん・・・」

「・・・・・って来るわけないか。
あの子真面目だからあたしみたいな奴は軽蔑してるか」


沈黙が流れた。
テレビの声だけが虚しく響く。


「学校ではさ、海が入院してるってことになってるから心配すんな」

「・・・・うん」

「あと・・・さっきおばさんがこれだけは海に伝えてくれって。
海たちの居場所は先生から連絡が来たんじゃないって」

「・・・やっぱり」

「おじさんが探偵に頼んだらしいよ。
先生から連絡来たって言ったほうが海がショックを受けて諦めるだろうと思ったみたいだな」

「・・・・そんなことだと思った」


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