向日葵になりたい。(修正済)

暗闇

─風が気持ちいい─


──波の音が聞こえる・・・ここは・・・どこ?──



髪を優しく撫でられる。

隣を見ると──先生がいつもの笑顔でいた。


『海・・・』

あたしの名前を愛おしそうに呼ぶ。



『俺、もう行かないと・・・』


どこに?どこに行くの?
あたしも連れて行って。


『ごめん・・・海・・・』


いやっ!待って。行かないで!!



先生は一歩ずつ海の中へ引き込まれて行く。

あたしは必死で追いかけるのにいくら走っても水辺にすら届かない。



待って───。



先生の体がどんどん海の中へ消えていく。



先生ぇぇ───!!!

ありったけの声を出す。



先生はそっと振り返り、今にも泣き出しそうな笑顔を見せ、そして













─────海の中へと消えた────。













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