向日葵になりたい。(修正済)
目を開けるとあたしの手を握りしめて泣いている母と苦虫を噛み潰したような顔の父がいた。



「・・・お母・・・さん?」

「海!海・・・分かる?」

「・・・・ここは?」

「病室よ。・・・・あなたが薬を大量に飲んで倒れてるのを見つけて・・・・」

母は声を詰まらせ、その後の言葉が出てこなかった。




そっか・・・。


最近のあたしは眠れなくて睡眠薬を服用してたんだ。

それがだんだんクセになって飲む量も増えていた。



・・・・・・・そっか。



「──どうしてこんなこと」

母は声を絞り出すように聞いた。



「・・・・たかったから」

「えっ?」

「・・・先生に・・・会いたかったの」

「───海」

「死ぬつもりとか・・・・そういうんじゃないの。・・・・ただ・・・・・先生に会いたかっただけ。でも・・・・夢の中ですら会えなかったよ・・・・・」



こんなあたしたちの会話を遮るように冷たく父が言い放った。




「これ以上俺に恥をかかすな!」

「あなた!」



父はそのまま病室を出て行った。





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