向日葵になりたい。(修正済)
「じゃあ、行ってきます」

あたしが玄関から出ようとすると、思い出したように母が呼び止めた。


「ちょっと待って!・・・これ・・・・そのネックレスと同じくらい大事なものなんでしょ?
持って行きなさい」



母が手にしてたものは───先生がプレゼントしてくれたPHSだった。



「お父さんがね、解約しちゃってもう使えないけど・・・・」

「・・・お母さん・・・・取っててくれたの?
ありがとう・・・・」



あたしは久々に手にした傷だらけのPHSを見つめた。


「あと・・・・これ・・・余計なことだとは思ったんだけど」

そう言うと母はあたしに真新しい携帯をくれた。


「海の名前で契約したから支払いは自分でしてね。
まぁ、海が携帯を持っててくれればお母さんもいつでも連絡できるしね」


母の優しさが嬉しかった。



こんな娘なのに。



あたしは「ありがとう」と呟いて、母の目を見て
「行ってきます」
と家を出た。



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