恋もよう

近付く距離


「レン!じゃあよろしくな!ここに来るように言ってあるから!」

「……ああ、わかった。」


約束の放課後。
遼は大きな部活のバッグを抱えると、急ぐように教室から飛び出して行った。
ここは二年の教室だが、遼がああ言っていたのだから待つしかない。


窓際の席に座ったまま、校庭を見下ろせば、つい先ほど飛び出して行った遼が走っていく姿が見える。

…あんな風に、何かに打ち込めるものをもつ奴が少しうらやましい。


そこまで考えて、ふと遼と出逢った時のことを思い出す。
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