恋もよう

徐々に暗くなる駅までの道を、一定の距離のまま歩く2人は周りにはどう見えるのだろうか。
そんな事を考えながら駅につき、定期券を出すと

「水神先輩も電車通学なんですか?」

とても意外そうに同じく定期券を手にしながら見上げてくる光。

「ああ、まぁ駅まではバイクだけどな。」

「へぇ〜。どこの駅なんですか?」

「…アンタ、より2つ先。」


『光』と呼ぶわけにもいかず、
『お前』も響きがキツく感じる気がして。

結局『アンタ』ということにしてしまった。
何で呼び方ごときで悩まなきゃなをねーんだと頭の片隅で考えつつ、駅のホームへの階段を上がっていくのだった。
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