恋もよう
ホームで電車が来るのを待つ間も、光は他愛もない話をしてくる。
数学の宮本先生がカツラって知ってますか?
とか、
まだ移動教室がわからないんですよね〜
とか。
『会話』らしい会話をしない俺に、どこか楽しそうに話す光に、自然と緩む頬に気付くはずもなくて。
すると、じっと見上げられている視線を感じて、光へ視線を移した。
「……なに?」
「あ、いえっ…リョーくんが言ってた通りだなぁって思って。」