呟き【詩集】
呼吸の仕方


息を吸って 息を吐いて

それを
意識した事なんて無かったのに


君という存在を失って
僕は呼吸の仕方を忘れたみたいだ


まばたきする度に 一瞬映る残像に縋って

僕は今日を生き延びる


君を忘れてしまったら
僕は呼吸すら出来なくなるのかな


違う


忘れてしまえば
きっと 息苦しさからも解放されるのに


この 胸の苦しさから解放されるのに




僕のあらゆる所に張り付いて

君は消えてくれない

僕を放してくれない



誰でもいいから

僕の中の彼女を 消してくれたなら…




僕は誰かの 朝になれるかもしれないのに
< 131 / 140 >

この作品をシェア

pagetop