呟き【詩集】
その残像を
不安に思うといけないから
君の背中の傷は 言わないでおこう
引き契られた羽根は 跡形もなく
ただ ジクジクした傷が そこにあったものを覚えているだけ
振り向かない君は
気付いてないのか
認めたくないのか
蒼空を仰いで
息を吸い込み
目を閉じる
風向きは定まらないよ
君の背中にあったはずの羽根は
遠くへ飛ばされた
だけど
振り向かない君は
何も知らない