旦那様はヤンキーくん
「…あっ、ママ…!」
あたし達に気付いた夕莉が
座っていたベンチから立ち上がってこっちに来た。
「…沢田くんも来てくれたの。」
「…そっか。」
「……あ、夕翔のお母さん…」
彩乃ちゃんがこっちを見て言った。
その目は充血してて泣いた跡があった。
「…ごめんなさい。
あたし、事故があった時…
夕翔と一緒にいて…
夕翔はあたしを守って車にひかれたんです!!本当にごめんなさい…」
夕翔…そうだったんだ…
「………ううん。
彩乃ちゃんのせいじゃないよ」
あたしはそう言って笑った。