らぶりぃBOY




『本城ありすです。

今日からよろしくお願いします!』



今日は、私だけが新人。

第一印象が大切だよね!


と、張り切って挨拶したのはぃぃんだけれど…




「ありすチャン、お客さんに聞こえちゃうよ?」


一番近くにいた女の人が、プッと吹き出しながら背中を叩いてくる。


力みすぎて、何も考えずに大きな声を出してしまった。


厨房内の皆は、作業中だったと言うのに手を止めて、唖然と私に注目。

それから、クスクスと笑いが充満していく。




恥ずかしい…



しかも、オーナーまでもが"気にするな"と、笑いながら奥から出てきてしまった。

奥の事務所にも声が聞こえていたらしい。




ってことは、やっぱりホールにも聞こえちゃってるってこと?!



初日から大失敗じゃんッ!




あぁー


先が思いやられる…




「じゃ、鈴木サンよろしくね?


本城サン、わかんないことあったら、この子に聞いてね?」



オーナーが笑いを噛みしめながら紹介してくれたのは、さっき"お客さんに聞こえちゃう"と注意してくれた人だった。



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