19歳の花嫁
幼なじみ
「栞!
待てってば!」
「あぁーもう!
毎朝毎朝…栞、栞、栞って!
少しは黙ってよ!」
「まぁそう言うなって!
幼なじみだろ?」
「…もぅ勝手にして…」
私の幼なじみ。
風桐 和也
は毎朝、毎朝家まで押し掛けてくる迷惑な奴。
「なぁ栞。」
「……何?」
「数学の宿題見せて!」
「……はぁ?
あんたまたして来なかったの?」
私の冷たい態度に少ししょげた和也。
「…うん」
私は呆れながら、
スクールバックの中から数学のノートを出して和也に差し出した。
「はぁ…
ほら、2時間目までに返してよね…」
「ありがとう!」
現金な奴…
でも、和也の笑顔を見るとすごく安心するんだ。
私は喜んで数学のノートを見ている和也の顔を見ていた。