19歳の花嫁
「ってゆうかさ……」
「んー?」
張り切って私の机に座ってノートに書き写す和也に言う。
「もうそろそろ、
学校行かないと遅刻じゃない?」
「……あっ!」
和也はささっと道具を片付けて、カバンの中に全部入れた。
「行くぞっ」
「…う…うん」
階段を駆け降りる。
リズムのいい心地よい音が
妙に今日は私の耳に響いた。
「いってらっしゃーい」
私達の足音に気付いたお母さんがリビングから話し掛ける。
「いってきます!」
横を何も言わずに行こうとする私の手を
わざわざ立ち止まって言う和也に掴まれた。
「ほら、栞も。」
「……いってきま…す」
そう言って和也より早く家を出た。