学園(序)
「まさか、先輩よりも強かったりするんですか?」

「ワラワより?」

「先輩も相当強いじゃないですか」

「ワラワがいくら強かろうが、本職には勝てぬよ」

「嘘でしょ?」

「躊躇いのない者の強さは底知れぬ」

「まさか、殺すことを何とも思わない?」

「そうではない。だが、腹が据わっておる」

どこか浮世離れしており、実感の湧かない話である。

これが重要人物の凄みなのか。

知識は浅いのでよく知らないけど、SPは黒服のイメージがある。

さらにいえば、拳銃を持っていて耳にイヤフォンをつけてたりする。

それとどんなことをしてでも、護るということだ。

後、チームで動くことが多そうだけどな。

あいつは明らかに不審者で一人だぞ。

あれで一般人を装っているつもりか。

しかも、今の時代に刀で護るのか。

もし、相手が拳銃を持ちだして発砲でもされたらどうする。

まあ、その前に制圧するだろうな。

「でも、別れましたよね?」

「うむ、学園では必要ないと帰らせた。じゃが、あやつは仕事を放棄せぬ。どこかで待機はしておるわ」

先輩は嫌そうな顔をしている。

命の安全は増えたものの、動きが制限されるのは窮屈だろうな。

先輩に変な事でもしたら、乾光蔵にばっさりいかねかれないぞ。

気配を感じることは出来ないが、気をつけよう。

しかし、見事に話がおかしな方向に脱線してしまった。

脱線させた元を作ったのは俺か。

話を強引に戻すのも何かおかしいし、いい方法はないか。

そういえば、明日は休みだ。

この際だから、誘ってみるか?
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