学園(序)
右腕が痛くて上がらない。

「じゃあ、今度は左腕だ」

今度こそ油断しねえぞ。

先ほどと同じように左肩に力を込めて、待ち構える。

「ふう、今日は暑いアルな」

いつの間にか上の服を脱いでブラジャーだけになっている。

「え、ええええええ!」

シースルーの下着って、素敵ですよね。

っていうか、道端で何してんだよ。

「隙ありアル!」

ブラジャーのまま左肩に拳をめり込ませた。

「ごおおおおおお!」

左肩も下に落ちて両腕が使えない。

明日、遊びにいけるかな。

「何をしようとしているのかは解らぬが無茶をするでない!これ以上は危険じゃ!」

「へへ、先輩、忘れてもらっちゃ困りますよ。俺は嫌って程粘り気が強いんですからね」

吟ネエはいつの間にか服を着ており、汗一つかいていない。

先輩は心配そうな顔で見つめている。

でもね、ここでやらにゃ、先輩もまた余計な心配をすることになるんですよね。

「全然、暑そうにみえねえぜ」

「もう収まったアル」

さっき、嘘はつかないとか言ったばかりなのにな。

でも、次はどこに当てるか。

両肩に4発、腹に一発で済まそうとしたのだが、予定は狂いっぱなしだ。

「しぶといアルな」

「それだけこっちも本気ってことだよ」

「こんなことなら、男とのアバンチュールしてるほうがいいアルな」

「次は腹だ」

吟ネエの要望を無視して、腹に力を込める。

肩と違って腹の力を抜いた状態で食らうと、一発で落ちるだろう。
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