学園(序)
「丞、そなたは吟のようになるでないぞ」

「何を言うアル。アチシのようなカリスマ性がないと」

「はいはい、カリスマだけじゃ生き延びられないのじゃ」

龍先輩に引きずられ、教室へと戻っていった。

チャイムはすでに鳴っているところ、龍先輩はとばっちりを食らうか。

友達として吟ネエのことを心配してるんだろうな。

俺も2年の教室に戻ると、授業が始まっていて教師からの注意を受けた。

クラスの中にも友達はいるけど、やっぱり吟ネエのほうが気になるね。

だから、三年の教室に行く事が多いんだけど、毎回毎回上級生に睨まれることが多い。

吟ネエや龍先輩は人気があるからな。

吟ネエは付き合うという感情はないんだけど、いい男であれば体を預ける。

だから、男は体目当てで近づくことが多い。

でも、一度寝られたとしても、二度目はないらしい。

本人曰く、気持ちはいいがアチシの気持ちは高ぶらねえぜ、ファックらしい。

「ファックしてて、ファックはねえな」

あくびをしてるところ、教師に教科書で殴られた。

「いて」

「起こしてやったんだ。ありがたいと思えー」

「うむ」

教師は教壇に戻って、授業を再開する。

腕を組んで考える。

俺は教師の暴力で訴えるなどということはしない。

悪い事を怒られて殴られた。

当然、こっちに非がある。

今ので少し目が覚めたので、先生の話を聞くことにしよう。
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