学園(序)

休日

休日、それは週に二回あるもの。

はっきり言って、二回もいらない。

休みだから嬉しいっていうのはあるけれど、学校にいることが好きなのだ。

勉学が物凄い好きっていう訳ではない。

学校の雰囲気が好きなんだ。

行くのも、拘束される時間も面倒だけど、家では味わえないような感覚があるじゃないか。

教室だとか、少し汚れた校舎の中とか、屋上とか、昼飯時の食堂とか、そういう場所を見たり立ったりすると楽しいんだ。

でも、一人では成り立たない。

皆の喧騒などがあってこそ、楽しいと思える。

まあ、正直なところ、先輩や吟ネエの制服姿が拝めないからだ。

私服姿もいいのだが、学校に来ない限り制服にはならないだろう。

休日まで制服を着たいと思わないのが人の真理である。

俺の場合、週6回見たくて仕方がないのだ。

時折、制服マニアなのかと思うことがある。

でも、違うぞ。

学校というシチュエーションの上での制服姿でいる吟ネエ達のマニアなのだ。

自分に言い訳をしながらも、私服に着替える。

「いたたた」

身体の節々が物凄く痛む。

あの衝撃は一日や二日で治るようなものじゃない。

でも、行かずにはいられない。

それが制服姿の吟ネエ達じゃなくてもだ。

昨日、吟ネエに今日のことを話すと、「男漁りは定休日アル」といってあっさりOKが出た。

吟ネエだって、たまには皆で遊んだ方がいい。

部屋から出て一階に行くと、昨日よりも早く起きている吟ネエがいた。

吟ネエはLOVEと描かれたロンティーの上に白と黒のボーダーのニットパーカーを着用し、下半身はハーフパンツという格好でTVを見ながら時間を待っているようだった。

遊びに行くのが楽しみなのだろうか。

それならそれで、嬉しいな。
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