ラブ・スーパーノヴァ
倫は薫が持ってきた倫と周一郎と幸子が写っている写真を手に取り、そっと指で伸ばした。周一郎を慕っている薫に全て話していいものか迷う。

「いろいろありすぎて、何から話したらいいのか・・・」

倫は言葉を詰まらせた。
薫が倫の手に自分の手を重ねる。

「いいよ。無理に話さなくても。話したくなったら話してくれればいい」

倫は薫の瞳を見つめた。
優しい眼差しで倫を見つめる薫の表情は落ち着いていて、倫が感じている不安など全くないように見えた。

「・・・これからどうなるの?私達、血が繋がってるんだよ。それに目を瞑って一緒にはいられない・・・」

倫は心底不安がった。二人の間に未来があるとは思えない。かといって、思いを伝えてしまった今、離れ離れになることは想像しただけでも辛かった。

薫が倫の手をぎゅ、と握る。

「俺の気持ちは変らないよ。君と一緒にいられるならどんな事実にだって目を瞑るし、どんなことにだって立ち向かう」
「目を瞑れることじゃないわ」
「俺にとって、君への想いに目を瞑ることの方がずっと過酷だよ」

薫の言葉に倫は胸を熱くしたが、二人が一緒にいられるなんてことが可能とは思えなかった。キヨは絶対に反対するし、薫の両親だとて間違っても賛成などしないだろう。

そもそも・・・血の繋がった甥と本当にこのまま恋仲になって良いのだろうかという気持ちが倫の中にはまだ残っていた。
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