ラブ・スーパーノヴァ
倫はうつむいた。倫の深刻な表情を見て、薫は倫を引き寄せて腕の中に抱いた。
薫のごつごつした男らしい胸に頬があたり、倫はどきどきした。

「君から拒絶される度に胸が張り裂けそうだった・・・。どうやったら俺を受け入れてくれるんだろう?なんて考えてたんだ。君も・・・いや、きっと俺よりずっと辛かったんだね」

ふ・・・と腕の力を緩め、倫の顔を覗き込む。

「不安なのはわかるよ。俺も一緒だ。でも、何があったって君を守る覚悟はできてる」

薫の真摯な眼差しに倫は胸打たれ、なにも言えなかった。
薫がそっと指で倫の頬に触れた。

「だからもっと元気な顔して。やっと俺と両思いになれて嬉しいだろ?」

薫が優しく笑う。倫は薫の笑顔がこんなにも自分を癒してくれるとは思っていなかった。

「嬉しいのはそっちでしょ」

倫も笑った。
二人見つめ合って、どちらからともなく顔を近づける。
再び唇を重ねる。先ほどとは違う、優しいキスだった。

(どうなるかわからない・・・でも、好きな気持ちが確かなのはわかる・・・)

薫の温かい体温を感じて、倫は満たされていた。
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