ラブ・スーパーノヴァ
「幸子を産んだ時は、そんな混血殺せ!って、親や親戚はすごかったよ。
本当にこのままじゃ殺されちまうと思って、家を出たんだ。
あの子も、そりゃいじめられたよ。小さい頃はしょっちゅう石やら泥やら投げられて帰ってきた。
あの子は私と違って、気の優しい子だったから、辛かっただろうね・・・。」

倫は娘に先立たれてしまった祖母の悲しみをいつも感じていた。だからこそ自分はその分もキヨに孝行したいと思っていた。

「キヨちゃん、キヨちゃんがお祖父ちゃんと出会って恋したから私がいるんだね。キヨちゃんがお母さんを守ったから、私が生まれたんだね。ありがとう。」

倫は心の底から感謝した。
キヨは、なんだよ、気味悪いねえと言いながら嬉しそうに笑った。

「そんなこと聞くなんて、あんた、好きな男でもできたんかい?」

倫はどきりとした。

「違うけど・・・今日、大学の先輩がね、『恋は狂気だ』なんて言うからね。キヨちゃんもお祖父ちゃんと大恋愛だったんだろうなーと思って。」

「そうだねえ。あの時はまわりが全く見えてなかったからねえ。あの人さえいたら良かったんだから。家族のことなんてどうでもいい、二人でどこかへ行っちまいたいって思ってたよ。」

「キヨちゃん・・・今でもお祖父ちゃんのこと、愛してる?」

「あたりまえじゃないか。墓場まで持ってくよ。」

倫はキヨの孫であることが誇らしかった。
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