ラブ・スーパーノヴァ
圭子はパーティと聞いて飛び跳ねて喜んだ。アルバイトを増やし、パーティドレスを新調していた。倫には既に持っているドレスを貸してくれた。

「これ、ウェストが超細くてさ~。かわいいからお姉ちゃんの結婚式の時に買ったんだけど、何も食べらんなかったのよねえ・・・うゎっ!さすが、倫、余裕で入るし。」

圭子がウェストのジッパーを上げながら言う。

黒のベアトップのドレスで、スカートがふんわりと広がっている。

倫の綺麗な鎖骨や肩が露になり、圭子が貸してくれた真珠のネックレスとイヤリングが品のある女性を演出している。

「倫~。すっごく綺麗!これで”九条様”も惚れ直すわよ、絶対。」

倫は照れくさかった。こんな格好、今までしたことない。圭子はベージュのルージュを倫の唇にひくとため息をついた。

「肌も白くてすべすべだし・・・まつ毛はバサバサだし・・・。化粧したら更に可愛くなるわねえ・・・。」

圭子は何度も褒めてくれたが、倫は気が気じゃなかった。

(あいつ・・・何て言うかな・・・)

倫は薫の顔を思い浮かべた。

かーっと頬が熱くなる。

倫は本をぎゅっと握り締めた。

返したら終わり・・・終わりにする・・・。
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