ラブ・スーパーノヴァ
日が暮れて、九条の家からいつもの運転手が圭子の家の近くの駅まで迎えにきてくれた。

圭子は思い切りはしゃぎ、何度も鏡をのぞいて化粧や髪型のチェックをしていたが、
九条の家に着くと顔色を変えた。

「ちょっと・・・だ、大丈夫？」

圭子は予想以上に九条の家が大きいことに驚いていた。

庭園は開放され、生のオーケストラの演奏が心地よく聴こえてくる。

立って話す者もいれば、用意された椅子に座って話す者もいた。

皆、身に着けているものは高級なものだと一目でわかる人たちばかりだった。

圭子は立ちすくんで動けないようだったが、倫は辺りを見回して薫を探した。

薫はすぐに見つかった。

皆よりも頭一つ分大きい身長に、黒いスーツ。
薄いピンクのネクタイが良く似合っている。

初老の男性と話す彼は、とても高校生には見えない。

倫はすっかり言葉を失って薫を見つめた。

圭子も薫に気がつくと、知り合いが見つかった安堵からか、薫が気がつくよう手を挙げて大きく振った。

「うわ～、今日は益々かっこいいね」

倫は圭子の言葉に共感していたが、何も答えられないでいた。
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表紙・目次

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