三日月<出会い>
「もしもし荒木さん?今こっち戻ってきたんやけど飲み会の場所がいまいちよく分からんくて…」


りょーちゃんからの電話は嬉しかった。道を聞かれるだけでも。


飲み会会場までの道のりでりょーちゃんと再会し、歩きながら話していた。


りょーちゃんは顔はキリっとしていて男前だけど、照れ屋で真面目なほう。笑顔がかわいかった。


居酒屋に到着するとすでに結構人が揃っていて、まだBクラスの人は顔すらあまり覚えてなかった。



ちあきはしっかりりょーちゃんの隣の席をゲットして、飲み会が始まった。


幹事である副委員長がカンパイのあいさつをすると、周りからは一気コールがかかる。


大きめのジョッキを顔を赤くしてキツそうに飲んだ。 あまり強くないのか、すぐに席についてぐたっとしていた。



飲み会はずっと席に座っている人やお酒を持っていろんなテーブルをまわり話にいく人、二手に分かれた。



二時間の飲み放題コースはあっという間にあと30分というところまでになった。


ちあきは隣のりょーちゃんや周りの人と話していた。 ただ、だんだんりょーちゃんの様子が変わってきた。



もともと照れ屋で控えめな人で、ちあきの事も

「荒木さん」

って名字で呼んでいたのに…



「ちあき…」


ちあきの名前を呼ぶ…というよりも囁くりょーちゃんはビックリするくらい顔が近い。
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