三日月<出会い>
三日月、知っていたけど歌うのは初めてだった。

思ったよりキーが合っていて歌いやすく、終えたらみんなからうまいねと言われた。



ちあきが歌っている間、周りの会話に入る事なくジッと画面を見て聞いていた拓也。




副委員長のメールのせいか、ほんの…ほんの少しだけ拓也の事が気になった。



カラオケも終盤に差し掛かったころ、拓也と携帯のアドレス交換をした。

クラスメイトだし。

特別な理由なんてない。

そう思いながら聞いたのはちあきのほうだった。



カラオケを出て帰ろうと駅に歩いてる時に、高校からの親友、マナから電話がかかった。


なかなか顔の知れてる某芸能人と飲み会があるけど来ない?という誘いだった。

カラオケでテンションが上がっていたし、芸能人と飲み会なんて行ったことない。


《おもしろそう!》


「マジで?行く!」


勢いよく答えて電話を切ったあと、少し眠さを感じてやっぱり迷った…
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