友達の好きな人


完全に迷ってしまった


「どうしよう…みんな心配してるよね?」


有線で呼んでもらうのは恥ずかしいし



・・・疲れた



仕方なくベンチで休む事にした



「何やってんだろ、みんなに迷惑かけて……ドジだなぁ」



だんだん自分が情けなくなって泣けてきた


迷子になったくらいで泣くなんて恥ずかしい


グスッ


見られないように涙を拭いていた時



「あ、いた!」


聞き覚えがある声がした



私が振り向くと








「バカ!なにやってんだよキラリ!って泣いてんのか?」



「………圭介」


涙顔の情けない顔をみた圭介はハハッと笑って私の涙を拭いてくれた



「迷子になったくらいで泣くやつがあるか」

そう言って優しい顔で頭をクシャッと撫でてくれた


「……アハッ」


「お?笑ったな!みんな待ってる。行こうぜ」


「うん。ありがと」



その時の私は、私を見つけてくれたのが圭介で良かったと思っていた


この気持ちがなんなのか気付くのはまだ先のはなしだけどね




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