恋はピンポンダッシュ!
ピンポンダッシュはもう御免!
―恋なんて したくないのに
恋なんて したい人だけがすればいいのに
どうして 恋なんてしてしまうんだろう
涙がでるほど その人の事が好きなのに
どうして その人は私を 好きになってくれないんだろう


男の子は ずるい。
いつだってそうだ
どんなに 心のドアを固く閉ざしても
どうやって? いとも簡単に 私の心の中に
素敵な思い出と 無邪気な笑顔を 刻みこんでいく


…ついに私は負けて
心のドアを 自ら開け放つ
その人を 迎え入れる為に
でも その人には すでにかわいい彼女が待っていて
ドアの向こうには その人は もういない


恋はピンポンダッシュ?
恋(いたずら)は もう御免!―


…夏季は、一気にポエムを書き上げると、ふうっと溜め息をつき、電車の座席の背にもたれかかった。
いつもと変わらない風景。夕焼け空に茜雲、人込み、ガタンゴトンと響く電車の音。恋をしている時はまだよかった。すべてがラブソング、恋の風物詩の様に思えた。
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