恋はピンポンダッシュ!
「どんな子かなあ。超イケメンでなくてもいいから、イケメン半分ノリ良し半分希望で!」
「筋肉質系がいいわね。ここ(千歳高校)の男子、全体的に細めだから。」
「…男だもんなあ。女子は喜んでるけど、ただでさえ女子の割合少ない学校なのにさあ。あ~あ、ますます熱気と活気にあふれたいい学校になりそうだわ。」
―ああ、そう言えば近々転校生がやって来るって言ってたけれど、今日だっけ?―
「え~静かに。早速だが、今日からこのクラスに仲間が一人増える事となる…」
―ああ、先生もすでにいたんだ。―
まだ半分寝ぼけた感じでいる夏季だったが、その担任の先生の、ある言葉を聞いて、一気に目が覚めた。
「…入りたまえ、はるばる、S県の小波学園からやってきた、『中村海斗』君だ」
―さ、小波学園!?ま、まさか…―
夏季は、ガラガラと音を立てて開かれる教室の戸を、じっと凝視する。そして、入って来たその少年を見て、夏季は、勢いよく立ち上がった。
「やっぱりぃ~っ!」
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