恋はピンポンダッシュ！

夏季が突然立ち上がり、大声で叫んだので、夏季は、驚きの視線の集中放火を受けてしまった。その為、夏季は、顔を真っ赤にしてそそくさと着席した。先生も含めて、唖然とする生徒達。ただ一人、海斗だけは冷静な表情をしていた。
「…え、ええと、そうだな、じゃあ、中村君は、あそこの席、そう、そこの席にしなさい。」
先生が指定した席は、夏季の隣り…の隣りの席で、大柄な「見山」という男子生徒を挟む形で海斗の席が決まった。
大抵、よくあるパターンでは、主人公の隣りに、ヒーロー、もしくはヒロインが席を構える構図になるはずなのだが、あれは物語の中の出来事だけらしい。夏季としても、その結果に特に残念がってなどいなかったが、ただ、海斗に対して言ってやりたい事がいっぱいあったので、近くに席がない事は不都合だと思った。メルアドの交換もしてないので、遠隔通信が出来ない。
仕方がないので、夏季は、古くから伝わる（！？）とある方法で通信する事にした。