生徒vs日々の生活?
「今日のテストは…
英語と古典だったな。
明日は…数学と化学か。
よし、楽勝だからもう寝ちゃおう!」
ものすごく疲れてたらしく、すぐ眠りについた。
…その夜は、不思議な夢を見た。
「ママ!パパ!」
ちっちゃい女の子が、ニコニコしながら両親に飛び付いた。
「……?」
その女の子は、すぐに両親の様子がおかしいことに気が付いた。
「どうしたの…?
悲しいの…?」
両親は微笑んで、何かを言った。
だが、両親の声は全く聞き取れなかった。
「…うん。
あたし、負けないもん!」
そう女の子が言ったところで目が覚めた。
「な…なんだったんだ?」
知らない親子の夢を見るなんて…。
「まぁいっかー……って!
えっ?!?」
ふと目に入った時計の時刻が、家を出る時間の10分前だった。
「ヤバい!水華に怒られる!!」
何とか10分とちょっとの時間で身支度をすませ、
慌てて家を飛び出した。
───このとき、沙弥はまだ気付いていなかった。
来るべき時が、近づいていることに…。