月下の舞


初めは蓉蝉は躊躇っていた。―理由は、月桃宮はどうなるのか?だ。

月桃宮には蓉蝉の元で菓子職人や、職人の元で技術を学んでいる者が沢山働いている。

…もし、自分が引き受けてしまったら沢山の人が路頭に迷ってしまうのでは?と蓉蝉は考えていた。

そんな時に蓉蝉の息子―呉杷(くれは)がやって来た。


「いきなりすみません。しかし、今話さなければならないと思うんです。……母さん、俺がこの店を継ぎます!だから、安心して母さんは宮姫様に仕えて下さい。」

「呉杷(くれは)!貴方いきなり何を言い出すの!?」

「以前からずっと思っていた事です。…それにもう俺は一人前の職人に成長しました。だから、母さんにはちゃんと認めて貰いたんです!…今度からは俺が新しい月桃宮を皆で作っていきます。」

「…呉杷。」

「……はい。……」

「…何を言っても諦めないつもりね?」

「勿論ですっ!」

「分かったわ。…この店は貴方に任せましょう。」

「!…あ、有り難うございますっ!!」


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