眠れない、キミの夜
「違うよ その前」



え?他に何て言ったっけ?



「はぁ~一緒に住むんだから 佐久間さん ってやめよう?佐久間って苗字 好きじゃないんだよね」



あぁ そっちか



「じゃあ…リンさん…」



何となく 何歳か知らないけど 私より年上の人の名前を呼ぶのは例えさん付けでも気が引ける



だけど そんな私の気持ちを彼が知る筈もなく



「うん その方がいい」



って 言って 少し目を細めて笑った



リンさんの笑顔は優しいなぁ…



何となく そんな事をボーっと考えた



私に向けられた 笑顔を
 
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