眠れない、キミの夜
私は 独りになったんじゃない


最初から独りだった


孤独になったんだ



いるようで いない父


母がいなくなり



仕事と 世間体ばかり気にするようになった父は 私の事は鬱陶しかったはず




父が亡くなったと聞いて 私は周りが暗くなるのを感じた



暗闇に引きずられる


眠ったら 私までも 暗い闇に飲み込まれそうで


怖かった 泣きたかった


思い切り声をあげて


でも それすらも叶わない


涙さえ出てこない


忘れてしまった 泣き方


冷たい夜を眺め 今日も眠れない夜は始まった






眠れない、キミの夜

【告げられた行き先】

[完]

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