フランシーヌ
4 ペシミストの擬態
コロニーの外壁付近に広がる農場は、ちょうど日光浴の時間だった。
外壁の厚い装甲板を開いて、植物に太陽の恵みを取り込むのだ。
「装甲板を開けてる時間は立入禁止だって、知ってた?」
頭上で髪をふたつに振り分けてむすんだ少女は、そんなことを言いながら農場の中をスキップして回った。
彼女の体が弾むたび、頭上のリボンが蝶の羽根のように翻る。
そんな、あどけない様子を、ジョーは笑顔で見守った。
相変わらず、彼女の姿にドクロは重なって見えない。
ただ、真っ赤な、赤いゆらぎに包まれた影が見えるだけだ。
「宇宙放射線で被曝するからだろ? いまさらだよなぁ」
装甲ガラス越しの宇宙を見上げて、ジョーは明るく笑った。
神の箱船に乗った人々の未来さえ危うい現状で、放射線被曝の心配をすることなど、ナンセンスだ。
外壁の厚い装甲板を開いて、植物に太陽の恵みを取り込むのだ。
「装甲板を開けてる時間は立入禁止だって、知ってた?」
頭上で髪をふたつに振り分けてむすんだ少女は、そんなことを言いながら農場の中をスキップして回った。
彼女の体が弾むたび、頭上のリボンが蝶の羽根のように翻る。
そんな、あどけない様子を、ジョーは笑顔で見守った。
相変わらず、彼女の姿にドクロは重なって見えない。
ただ、真っ赤な、赤いゆらぎに包まれた影が見えるだけだ。
「宇宙放射線で被曝するからだろ? いまさらだよなぁ」
装甲ガラス越しの宇宙を見上げて、ジョーは明るく笑った。
神の箱船に乗った人々の未来さえ危うい現状で、放射線被曝の心配をすることなど、ナンセンスだ。