フランシーヌ
6 天使の剔抉
「ジョー、煙草」
フランシーヌが、漂ってくる煙をパタパタと手で扇ぎながら、迷惑そうに言った。
超心理学の本を借りたいといって、ジョーの部屋に遊びに来ていたのだ。
「ねぇ、煙草、消して」
共同住宅の出窓にもたれて鉢植えの枯れ花をむしっていたジョーは、少しだけ花を摘む手を止めたが、フランシーヌの声を無視してかまわず作業を再開した。
「もう! 煙草はやめてって言ってるのに!」
腰に両手を当て、仁王立ちのフランシーヌは、ジョーの背中に大声を張り上げた。
「あたた」
首をすくめて、ジョーはしぶしぶ少女を振り返った。
不満顔のフランシーヌに、愛想笑いをする。
フランシーヌが、漂ってくる煙をパタパタと手で扇ぎながら、迷惑そうに言った。
超心理学の本を借りたいといって、ジョーの部屋に遊びに来ていたのだ。
「ねぇ、煙草、消して」
共同住宅の出窓にもたれて鉢植えの枯れ花をむしっていたジョーは、少しだけ花を摘む手を止めたが、フランシーヌの声を無視してかまわず作業を再開した。
「もう! 煙草はやめてって言ってるのに!」
腰に両手を当て、仁王立ちのフランシーヌは、ジョーの背中に大声を張り上げた。
「あたた」
首をすくめて、ジョーはしぶしぶ少女を振り返った。
不満顔のフランシーヌに、愛想笑いをする。