フランシーヌ
ジョーは、座ったまま壁に後頭部をあずけ、涙ぐむ少女を見上げた。
「確かに、オレは視てるだけだ…。でもな、フランシーヌ…。もう、原因なんか関係ない。人類は、滅びたがっているんだよ…」
「そんな考え、納得できないわ!」
ジョーは、くわえ煙草のまま煙を吐いた。
「オレは、もう視たくない。殺し合いは無意味だ。そこから始まるものは何もない…」
「そうよ。だから、あたしは、その殺し合いを終わらせたいのよ」
「人間一人の力で、できっこないよ…そんなこと…」
ジョーは、壁にもたれたまま目を閉じた。
目を閉じると、戦火で無惨に殺されていく子供たちの映像が脳裏に蘇ってきた。
熱線で焼かれて、化け物のようになった姿で折り重なって死んでいく人たちの姿が、次々と浮かんできた。
あんな地獄絵図を誰が止められるというのか…。
「確かに、オレは視てるだけだ…。でもな、フランシーヌ…。もう、原因なんか関係ない。人類は、滅びたがっているんだよ…」
「そんな考え、納得できないわ!」
ジョーは、くわえ煙草のまま煙を吐いた。
「オレは、もう視たくない。殺し合いは無意味だ。そこから始まるものは何もない…」
「そうよ。だから、あたしは、その殺し合いを終わらせたいのよ」
「人間一人の力で、できっこないよ…そんなこと…」
ジョーは、壁にもたれたまま目を閉じた。
目を閉じると、戦火で無惨に殺されていく子供たちの映像が脳裏に蘇ってきた。
熱線で焼かれて、化け物のようになった姿で折り重なって死んでいく人たちの姿が、次々と浮かんできた。
あんな地獄絵図を誰が止められるというのか…。