フランシーヌ
堰を切ったようにあふれ出す懺悔の言葉。

ジョーはそっと手を差し出して少女の唇に人差し指を当てた。

「君のせいじゃないよ。利用して悪かった。もっと早く、こうするべきだったんだ」

「そ…んな…」

「だから、…いいんだ」

「ジョー…」

「じゃあ、オレからのお願いも聞いて。軍務総長に会ってあげなよ。最期くらい、愛する人の側にいるべきだよ」

ジョーは、もう、フランシーヌに対して自分の視た未来を隠そうとはしなかった。

「最期?」

フランシーヌは、小さく首をかしげる。

「この箱船は、きっと、数日のうちに沈むよ」

ゴクリと少女の喉が鳴った。

「沈む? ノアの箱船が…沈むの?」
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