フランシーヌ
左の目に映る彼女は、真っ赤に燃えていた。

だが、それは、まるで自らの炎の中で蘇るという不死鳥のような神々しさだった。

「フランシーヌ…。炎に包まれた君の姿が見えるよ」

『左目、見えるのね?』

「ああ」

『…よかった…』

「オレがずっと視てた赤いゆらぎは、この炎だったんだな…。まるで火の鳥の燃える翼のようだ」

『火の鳥?』

「不死鳥だよ。永遠に再生を繰り返して生き続ける伝説の鳥だ」

フランシーヌは笑った。

『面白いこと言うのね』

「でも、これは決定された未来じゃない。もし、君が戻ってくれば…」

『戻ったら、きっとあなたは、あたしの上にも白いドクロを視るようになるわ』
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