フランシーヌ
そして、フランシーヌは、ニコッと笑った。

年相応にあどけない、のびやかな笑みだった。

その瞬間。画像が激しく横揺れを起こし、乱れたノイズの中に、かき消えた。

「フランシーヌっ!」

ジョーは、絶叫した。

軍務総長が、床にはいつくばってホワイトノイズになった画面を見上げている。

「イスカ-13、制止軌道上から移動しています。爆圧で軌道を外れた模様です。…落下します」

オペレータの声が室内に響いた。

「落下地点算出」

誰かが命じた。

ややあって、オペレータが答える。

「太平洋上です…。座標は…」
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