流れ星に願いを 〜戦国遊戯2〜
「で?助けてやったってのに、礼のひとつもないとはひどいもんだ」

佐助の声に、玲子は苦笑いを浮かべながらごめんごめん、と謝った。

「ありがとう、佐助。ほんとに助かった」

玲子がそう言うと、佐助は首を横に振る。

「いいんだ。お前に何かあったら、そこの若様がまぁーた鬱陶しくなるだけだからな」

にやっと笑う佐助に、幸村は慌てて間に割ってはいる。

「そうだ!お前にまだ紹介していなかったな!」

そう言って、幸村は幸姫を抱き上げて佐助に見せる。

「娘の幸姫だ」

「はっ!?」

突然の言葉に、佐助は目を大きく見開いた。

「…なんだ?」

「にんじゃさんだ!」

幸村と佐助のやり取りを見ていて、幸姫は初めて幸村と出会った時に一緒にいた人物だということを思い出した。
キラキラと目を輝かせながら、佐助の方へ手を伸ばす。

それに気づいた幸村は、佐助に幸姫を抱かせた。

「え、ちょ…若!?」

困惑した表情の佐助をよそに、幸姫嬉しそうにはしゃぐ。

「れいちゃん!にんじゃさんだよ!」

幸姫の言葉に、玲子は必死で笑いをこらえていた。


< 101 / 219 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop