流れ星に願いを 〜戦国遊戯2〜
「あの…」

おずおずと申し訳なさそうに、正弘が声をかけてきた。

「あっ…」

すっかりその存在を忘れてしまっていた玲子は、少し苦笑いを浮かべた。
正弘も少しだけ苦笑する。

「あの…ありがとうございました」

隣にちょこんと立っていた亜姫も、父親と同じように頭をさげた。

「いえ、そんな…私はなんにも…」

とその時、何かがチカッと光ったのが見えた。玲子が首をかしげていると、誰かが走ってくるのが見えた。

「のぞみせんせー!」

幸姫はその姿を確認するやいなや、佐助の腕から飛び降りて希美の所へ走っていった。

「幸姫ちゃん!?…よかったぁ…」

「希美!どうしてここに…」

玲子がびっくりしていると、希美は玲子を睨みつけながら怒った。

「どうしてじゃないでしょ!電話はつながんなくなるし、玲子は全然連絡くれないし、いつも無茶ばっかりするし…じっとしてなんていられるわけないじゃん!」

「あ…ごめん」

あはは、と笑う玲子に、希美は少しうなだれた様子で溜息をついた。

「いいけどね。幸姫ちゃんがぶじだったからそれで」

そういったとき、玲子の傍に見知らぬ人たちがいることに気づいた。

「あの…そっちの人たちは?」

幸姫の手を引いて、玲子たちの傍にいく希美に、玲子はあぁ、と紹介していく。
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