流れ星に願いを 〜戦国遊戯2〜
「なんだ、そっちにまだいっぱい残ってんじゃねーか」

佐助が幸姫たちが食べている鍋からもひょいひょいっとお肉をサルベージしていく。

「あぁ!それこうきのおにく!」

幸姫が取ろうとしたお肉を佐助が取ったため、幸姫がむっとした顔になる。

「早い者勝ちだ」

ふふんと得意そうな顔をする佐助の器から、幸村がひょいっとお肉を取り上げる。

「小さい子相手に何をしているんだ」

呆れた表情でお肉を幸姫の器に戻す。

「あ、なにするんですか若!食事に小さいも大きいも関係ないでしょうが!」

そう言って今度は幸村の器に野菜をどんどん詰め込んでいく。

「若はそれでも食っててください」

「佐助!そうはいかんぞ!」

今度は幸村が佐助の器にどんどん野菜を盛っていく。

「あ!何すんですか!」

2人のやり取りに必死で笑いをこらえる希美。玲子は恥ずかしそうな顔をしながらも、関係ない、とすき焼きの具をまた投入していく。

「ほら、あんなのはほっといて、2人ともどんどん食べなさい。急がないとあそこのおバカ達にお肉食べられちゃう」

玲子の言葉に、2人がピタッと争うのをやめた。

「玲子!馬鹿とはひどいではないか!」

「てめぇ!今のは俺と若に対してか?若はまだしも、俺に向って馬鹿とは何だ!」

「佐助!?それもひどいではないか!」

「いやいや、若は言われても仕方ないですから」

「何を!」

ぎゃーぎゃーとまた言い争いを始める2人。
正弘はほほえましそうに眺めながら、お肉を亜姫に食べさせていた。
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