流れ星に願いを 〜戦国遊戯2〜
コンコン。

扉をノックする音がした。玲子が帰ってきのかと、慌てて扉を開けに走った。

「…のぞみせんせ?」

背伸びをしてドアノブをひねり、扉を開けた先には、希美と佐助の姿があった。

「………」

なんとなく、玲子ではなかったことにがっかりした幸姫は、また、ポテポテと幸村のところへ戻った。

「おはよう、幸姫ちゃん。…あれ?れいちゃんは?」

2人とも部屋の中に入るが、1人足りないことに気づいて、キョロキョロと部屋の中を見回した。

「玲子なら、けいさつというところに行くと言っていた」

幸村の言葉に、希美は少しだけ、眉をピクリと動かした。

「…まさか、毛利さんも?」

亜姫がベッドに寝ているのを見つけて幸村に聞くと、小さく頷いた。

「…れいちゃんのところにいく」

小さく呟くと、希美は少しだけ困った顔をした。

「亜姫がまだ寝てるから。もう少しだけ、我慢しようか?」

希美に言われても、ちらりと亜姫を見た。気持ち良さそうに寝ているのを見ると、少しだけ腹がたった。

「じゃああきちゃんおこす」

そう言って、亜姫のところへ近寄ろうとすると、慌てた様子で希美が腕を掴んできた。
< 121 / 219 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop