流れ星に願いを 〜戦国遊戯2〜
「飲み物なら間に合ってますけど」

希美の言葉に、苦笑いを浮かべながら部屋を出ていく婦人警官の姿があった。

「…いったい、何人目よこれで」

会議室へと通されてからというもの、入れ替わり立ち替わりでいろんな婦人警官が飲み物を持ってくる。

最初のうちは、幸姫たちに飲ませてやるためと、もらっていたが、いい加減、その目的に気づいて面倒くさく感じてきた。

「どうした?」

幸姫たちの相手をしている佐助が、顔を希美の方へと向けて聞く。

「別に」


…ほんとに、見た目だけは無駄にいいんだから。


はぁ、とため息をつきながら、そばにあった椅子に腰かける。

「のぞみせんせー、れいちゃんはまだー?」

幸姫がパタパタと走り寄って聞いてくる。
部屋に飾られている時計を見ると、時刻はもうすぐ正午を指そうとしていた。

「そろそろ休憩に入ってもいいと思うんだけど」

うーん、と首をひねっていると、また扉をノックする音が聞こえてきた。

「もう!またぁ?」

希美はふん、と鼻を鳴らしながら、部屋のドアを開ける。

「飲み物はもういいって何度言えば…」

「れいちゃん!」

「パパ!」

扉の向こうには、玲子と正弘の姿があった。2人は目を大きく見開き、2人の姿を見つけ、駆け寄った。
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