流れ星に願いを 〜戦国遊戯2〜
「希美はどうしてここに?」

玲子が大まかに説明をした後、小さくため息をつきながら、今度は希美が説明を始めた。

「途中まで戻ろうとしてたんだけど…持ってたコレで、れいちゃんたちが容疑者になってるってわかったから。慌てて引き返してきた」

とりあえずと、佐助の服を24時間あいているスーパーで購入し、着換えさせたらしい。

「それで…れいちゃんたちはもう帰っていいの?」

聞くと玲子は首を横に振った。

「死体のあった現場から、私の指紋が出たらしいの。ま…無理ないけどね。幸姫たちのいたあの建物で発見されたらしいから。だけど、どうしてあの場所を調べたんだろう」

幸姫たちを見つけて、そのままその場を後にした。もちろん、信長を追って建物内に入ったときに、死体なんて目撃していない。だから、警察には通報なんてしていない。

「わかんない。だけど…やっぱり警察に内通者がいるっていうのは確かかもね」

希美の言葉に、玲子は溜息が出た。

「どうしたもんかな…ただ、旅行に来ただけなのに」

小さくため息をつく玲子。幸姫の頭を優しく撫でた。

「信長は一体、何をしにきたんだろ」

希美が言う。玲子は少し考えたあと、ふと、信長の言葉を思い出した。

「…必要なものは手に入れた」

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