流れ星に願いを 〜戦国遊戯2〜
「必要なものって…なんなんでしょうか」

正弘の言葉に、全員が首をかしげた。
と、その時、玲子はふと、あることに気づいた。

「タイムトラベルが可能になったって言ってましたけど、どうやって過去に行ったんです?」

信長に会った話しは聞いたが、よく考えてみれば、ワールドヒストリをプレイするだけでも、『会った』と言えるのではないか?
そう思ったのだ。

「最初は、ワールドヒストリと同じ方法だったんです。それを…」

そこまで言って、正弘は俯いた。

「…友人が改良していき、こんな形にしたんです」

そう言って、正弘は首にかけてあった、小さなメダルのようなチャームのついたネックレスを取り出して見せた。

「…これ?」

首をかしげながら玲子が聞くと、正弘は頷いた。

「ある特定の条件下で、空間に歪みを発生させ、時間を移動する、という仕組みらしいです」

言われてちんぷんかんぷんな表情を浮かべる。

「で、その特定の条件ってなんなんです?」

希美が興味津々と言った顔をする。

「それが…」

「おい、取り調べの時間だ」

正弘がいいかけたところで、桂が部屋に入ってきた。

「…このKYくんめ…」

小さくぼそっと希美が言う。が、桂はそれに気づいた様子もなく、玲子と正弘を連れて、部屋を出ていった。
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