流れ星に願いを 〜戦国遊戯2〜
「ね、ごはんつくるのてつだって」

さっきまでのさみしそうな表情からは一変して、幸姫はにっこりと笑った。


「わかった、手伝おう。何をすればいい」

そう言って、幸姫の後について、キッチンへと入った。

「うんとね、ぱんをやくの」

そう言って、電子レンジの上に置いてあるパンを背伸びして取ろうとする。

「これか?」

「うん、ありがとう」

佐助が取ってくれたパンを手に取り、電子レンジの中に2枚並べて置く。

「えっと…このぼたんおして…こっちをおして…」

ピッピッと電子音が鳴る。少し佐助の体に力が入るが、すぐに幸姫の操作している機械から、音が出ているということに気づき、力を抜いた。

「で、これ!」

最後にピッとボタンを押したとき、ガチっという音とともにブーンと音が鳴り始めた。佐助は思わず身構える。

「な、なんだ!?」

その佐助の反応に、最初にテレビを見た時の幸村の反応を思い出し、幸姫は笑った。

「ゆきむらもさすけも、へんなのー!」

ケタケタと笑う幸姫を見て、こちらの世界では当り前の出来事なのだということに気づき、思わずかぁっと顔が赤くなった。

「仕方がないだろう。こちらのことはよく知らないんだ」

佐助が少し照れながらも、むすっとした表情で言う。

「あ…ごめんなさい」


れいちゃんに、ひとのことをわらったらだめっていわれてたのに。


少ししょんぼりとした幸姫に、佐助が今度は笑った。

「すまん、冗談だ。こちらのことをよく知らないのは仕方ないのだが…少し神経質すぎたかもな」

佐助に優しく頭を撫でられて、幸姫はにっこりと笑った。

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